社会のルールを知ったトキ

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【ネタバレあり】ソラニン(漫画) 1巻 感想 ~不安と迷いに押し潰されそうな日常。それでも懸命に生きようとする若者たち~

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【不安と迷いに押し潰されそうな日常。それでも懸命に生きようとする若者たち】


宮崎あおい主演で映画にもなった漫画「ソラニン」の感想です。
※2巻の感想はこちら
【ネタバレあり】ソラニン(漫画) 2巻感想~気だるい平和。ダラッと続く日常。一歩踏み出すために芽衣子は…~ - 社会のルールを知ったトキ


東京でOLとして働く芽衣子。学生時代には音楽で世界を変えると意気込んでいたが、今はあくまでも趣味として音楽をしているフリーターの種田。
それぞれ、本当にしたいこととは違う仕事を日々こなしながら、付き合って6年になるふたりは共に暮らしています。


二人は何処にでもいる普通の若者でした。
なんとなくモヤモヤしながら、流れていく日常…
どこかゆっくりと死んでいくような感覚…




「自分には、もっと違う道があるんじゃないか」

「「人生のレールなんて外れて自由になっちゃえばいいじゃん」という黒い囁きがどこからか聞こえてくるんだ」



そう感じてしまった芽衣子が、仕事を辞めるところから物語は動き出します。

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その後貯金を食い潰しながら、次の仕事をするわけでもなく。
どこか将来に不安を感じながらも暮らしていくなかで、芽衣子は種田に真剣に音楽をやるよう勧めます。



種田は、迷いました。
ぬるま湯のフリーター生活の心地よさや真剣に何かをするときに付きまとう、後戻りできない恐怖。
時間と共に減っていく選択肢…

自問自答しながらも学生時代のバンド「ロッチ」を再結成することを決意します。
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バンドメンバーはふたりの学生時代の仲間である、ドラムのビリー(薬局の息子)ギターの加藤。(デブで就職浪人中)
また、加藤の彼女であるアイと芽衣子も皆をサポートします。

みんな、日々の生活や人生に葛藤し、正解かどうかもわからない道を、燻りながら、それでも懸命に生きていました。
それぞれの魅力的なキャラクターにスポットライトを当てながら物語は進み、種田たちはレコード会社にデモCDを送り続けます。
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ちなみに管理人は浅野いにおの大ファンです。
サブカル気取りとか、厨二病とか批判されることもありますが、これだけ心に響く漫画ってのもなかなか無いと思います。
他には「おやすみプンプン」とか「うみべの女の子」なんかもオススメです!
ちなみにソラニンで一番のお気に入りは、デブでメガネの大学6年生加藤が、後輩の女の子に言ったセリフです。


いつかの種田のように、音楽で世界を変えてやると語るサバ子
そんなサバ子に加藤は


「何事も積み重ねが大事だからな。とりあえず今はどんどん曲書いて歌ってみろって。「べつにー」とか「でもー」とか「まあー」とかあんま理屈こねてばかりだと、俺らみたいになっちまうぜ」

と諭します。




いやー、耳が痛い(+o+)
行動しない理由を考えて、理屈ばかりこねて実際には批判だけ…
こんなふうな弱さを持ち合わせている人ってけっこう多いのではないでしょうか?
失敗や衝突するのが怖いから、それらしい理屈をつけて行動しないという選択をする。ただ、それでは人は成長出来ません。



サバ子は「頑張った結果それでも駄目だったらどうしよう…」と加藤に弱音を吐きます。




それに対し加藤は、「とにかく、やるだけやってみ。それでも音楽をやる。意地でもやり続けてれば、そのうちなんか見えてくるぜ、きっと」



と、心強いお言葉!!
怖くても、結果がついてこなくても、懸命に生きよう!というメッセージですね。
普段ふざけてばかりの加藤のセリフだからこそ、響くのかもしれません(-"-)

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(普段の加藤)



自分の心に蓋をして、上手に生きるのか。迫られる選択肢にふたりは…

真剣に音楽に向き合い、自分の気持ちに正直になった種田は、とても活き活きとしています。
そんな種田を見ながらも、気持ちのどこかで「本当にこれで良かったんだろうか」と、種田を焚き付けた芽衣子は心のどこかで葛藤し続けました。


デモCDを送り続けても、一向に反応は無く、焦る最中超大手レコード会社からの連絡が届きました。
けれどやっぱり彼らを待っていたのは、社会の現実でした。
ロッチとしてのデビューでは無く、つまらない新人アイドルのバックバンドとしてのオファーだったのです。

そんな現実に対して種田が何か言い出す前に、芽衣子は「馬鹿みたい!」と一蹴してしまいました。


その日以来、デモCDに対する反応は一切なく、仕事もせずに日々を消化するだけの毎日に戻ってしまいます。


そんな、どこか当たり前のような結末の中、悩み続けた種田は、バンドの解散・芽衣子との別れを切り出します。
そして、種田はその日から姿を消してしまいました。
戸惑う芽衣子の元に、デモCD「ソラニン」が届きます。


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改めて曲を聞いてみて、それが別れの曲だということに初めて気づくのです。
芽依子は、種田を無意識のうちに追い詰めていたと、後悔し苦悩します。




そして数日後、仕事で職場に缶詰めになっていたという種田から、電話が掛かってきました。
バンドで世界を変えられるって思っていたけど、仲間がいて、芽衣子がいて、それだけで自分は幸せなんだ、と芽衣子に告げる種田。
でも、そう言って電話を切って、芽衣子に会うためにバイクを運転する種田の目からは、なぜだか涙が止まりませんでした。


「俺は、幸せだ」



「ホントに?」



「本当さ」



「ホントに?」

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そして、泣きながら種田は赤信号を無視して、そのまま交通事故を起こしてしまいます。


平凡な幸せが待っている、日常。
どこか燻りながら、心のどこかで妥協して生きる毎日に戻ることは、種田にとって本当に幸せだったのでしょうか…

管理人は、種田は本心ではきっと、バンド活動を続けて、懸命に夢に向かって突き進みたかったんだと思います。
ただ、そうもいかない現実もわかっており、悩んだ末の結論だったのかなーと(-"-)




【読後のなんやかんや】

ソラニンは全編を通して、若者の悩みや葛藤が描かれています。
ただ、好き嫌いは別れるでしょうね。


芽依子ぎは、「ビリーは今 死んだら自分の人生に納得できる? ビリーにとって人生は何?」「ビリーは今の生活で満たされてるって言い切れる!?」

種田も、「どーしようもないことかもしれないけど正直、他人と比べないと自分がわからないというのは悲しい。」「とはいえ自分で自分を全肯定できるほど自信もない」



とまあ、なにかと人生を憂うタイプなんですね。
人によっちゃあ、うじうじ考える前に行動しろや!!って思うだろうなー(笑)


人はみな、自分が特別な人間だと勘違いしていて、いつしかそんなことはないただの平凡な人間だと気づいていきます。
ただ、それを認めてしまうのは苦しいし、無意識のうちに自分に言い訳するんだと思います。
「大人になるっていうのはそういうことだ」…と。


ソラニンは、そんな大人と子供の過渡期の葛藤のお話なので、若者の絶大な支持を受けているのではないでしょうか。
まあ「大人」っていうのも、自分の心に蓋をして、妥協した人生を肯定するための言葉に過ぎないと思いますけどね…(-"-)





さて、果たしてこのまま種田は死んでしまったのか!?
芽依子や仲間たちはこの後どうなってしまうのか。

完結編である。2巻に続きます。

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【おやすみプンプンの感想はこちら】
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