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【ネタバレあり】おやすみプンプン~絶望に引き込まれる~【中学生編の感想・考察】

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どうも!管理人です。

今回は「おやすみプンプン」の3巻から4巻までの考察・感想です。

前回の記事はこちら↓ 

 

 目次

中学生のプンプンは…

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中学生になったプンプンは愛子ちゃんとは距離を置いていました。

ただ、彼は彼女のことを今でも想い続けていたのです。
そんな愛子ちゃんはバドミントン部の部長である矢口先輩と付き合っているようで、プンプンは気が気じゃありません。


ただ、矢口先輩はとてもいい人で嫌いになれないプンプン。
でも愛子ちゃんが自分ではなく、他人に好意を向けているという現実を直視できず苦悩します。

その後、矢口先輩と口論?して泣いている愛子ちゃんと遭遇しますが、無視されてしまいます。

矢口先輩が悪い人間で、愛子ちゃんは騙されているだけ。
自分の価値観を肯定するためには、そう考えないと、自分の存在を。自分の気持ちのバランスが取れないのです。
汚い欲望と、綺麗な自分でいたいとの気持ちの葛藤。
その心理的描写が秀逸です。


そしてひょんなことから矢口先輩とプンプンは愛子ちゃんを賭けた勝負をすることに。
バドミントンの試合で先輩が小松っちゃんを倒せたら、プンプンは愛子ちゃんを諦めなければいけません。
女の子を賭けて勝負なんて、青春ですよね。


プンプン バドミントンの場面

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試合を観戦に行くと、ここで愛子ちゃんと再び再会することに。

気まずい瞬間…
観戦中、愛子ちゃんはプンプンに様々な話をします。
どうも愛子ちゃんと矢口先輩には温度差があるみたい。
この場面は愛子ちゃんという女の子を象徴しているといっても過言ではありません。

 

「矢口先輩はいい人だよ…優しくて真面目で恰好良くて、けど、あの人にはまだ逃げ場所がたくさんある。」

逃げ場があるからいけない…ということは、自分以外の人に気持ちが向かってしまうことを恐れているのです。


そんな愛子ちゃんには、逃げ場がありません。
だからこそこの子は鹿児島に拘っている。
そして、プンプンにも精神的な逃げ場がないことを、直感的に感じ取っているのでしょう。

 

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「たった一人でいいから 頭のてっぺんからつま先まで1ミリの間違いも無いくらい完全にわかり合いたい」
「その人と二人きりになれるなら、他には何もいらない」
「もし、その夢がかなうなら、あたしはその瞬間に死んでもいい」

 

そんなことを話しながら、こっそりプンプンの手をつなぐ愛子ちゃん。
その行為にプンプンは大興奮。


真剣な試合の途中なのに、矢口先輩のことは嫌いになれないというのに、自分勝手な欲求だったり快楽を優先する。
そんな汚い自分が嫌だし、先輩に対しての罪悪感も存在します。

 

中学生のプンプンはそんな葛藤を続け、心が寄れ動いています。
心の闇の部分を象徴する神様はいまだ健在で、かつ過激になっています。
「傷つく前に先に相手を殺してしまえばいい」
だとか。

プンプンの心と神様が分離しているのは、自分が汚らしい存在であるということを認めたくないから。
だけど、そんな神様に飲み込まれそうになっています。

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結果的には、脚のケガが原因で小松っちゃんに敗れた矢口先輩。
プンプンは賭けには勝ちましたが、自分がいかに汚らわしい存在なのかを自覚して、複雑な気持ちでした。


そして愛子ちゃんに、二年前に鹿児島行きの約束を破ってしまったことを謝罪します。
ここであっさりと罪悪感から解放されれば良かったのです。
ただ、愛子ちゃんはそんな単純じゃない。

 

「じゃあ今から行こう」 

 

と返され、プンプンはこの少女の闇の深さに恐怖します。
彼女との決別を決意しますが、残ったのは自分の醜さを自覚した事実のみ。
これをきっかけに、プンプンの心はどんどん澱み、沈んでいくのです。

 

プンプンに必要なものは…

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とにかくこの少年には愛が足りない。
愛され、自らの存在を必要とされる経験が足りません。
矢口先輩は愛子ちゃんのことを、

「悲しそうな目をしているあいつを自分がなんとかしてやらないと」
と話していました。
これは、自らの存在価値を自らが自覚できるから。

共依存の関係性を示唆しています。


ただ、矢口先輩の場合はきっと他の事で自分の存在価値を自覚できる。

プンプンはどうだろうか。

きっと、愛子ちゃんを守るとか、鹿児島へ連れて行ってあげるといった部分でしか他者貢献できないのではないでしょうか。

 

プンプンが何か他に楽しみだったり、生きがいを見つけないと、愛子ちゃんの闇の中に引き込まれそうです。
まだ今は、その狭間で踏みとどまってはいますが、かなり危険な状態であることは間違いないでしょう。

 

雄一おじさんの過去と罪

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雄一おじさんは、プンプンと対をなす存在といえるでしょう。
ひょんなことから元看護士で今はカフェで働いている“翠さん”と急接近する雄一。


ただ、彼は過去の罪悪感から、他人を傷つけてしまうこと、自らが傷つくことを避けて生きるようになっていました。
そんな過去の出来事がプンプンの物語と並行して描かれています。

 

退屈で平凡な日々を過ごしながらも、何か物足りない気持ちを自覚していて。
でも、なんとかそんな気持ちに折り合いをつけて、過ごす毎日。
理想とかけ離れながらも、自分はそんな価値のある人間ではないから仕方がない。

 

そんな日常のなか、勤め先の陶芸教室で出会った少女。

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純真な外見の少女が、内面は実はそんなことはなくて。
そんな相手に一瞬でも快楽に負けそうになった自分がいて。

彼女に見られながら、恋人を抱くという背徳の極みを経験した雄一でしたが…
それを口外しないでくれと頼む自分の汚さ、醜さに絶望するのです。

 

その結果、自分以外の人間が彼女の美しさと醜さに魅了され、人生を狂わせてしまう。
翠さんと共に、過去の罪悪感からは解放されますが、自分を支え生かしてくれていたのが、その罪悪感だったことに気づき、絶望し、自殺しようとしました。

f:id:a-rulership:20151217221916p:plain 繰り返しにはなりますが、人は自らの存在価値を認めることで生きていけます。

 

雄一の場合では、過去の罪を背負っていきるという償いこそが、自分の存在を認めることができる唯一の存在だったのです。

 

そんな雄一を、どんな過去があろうとも愛すると言ってくれた翠さん。
自らの存在を肯定してくれる存在に出会えた雄一は、なんとか生きようと考えることができたのです。


まとめ 

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3巻から4巻では、プンプンはどんどん自らを否定するようになっていきます。
そして雄一おじさんは対照的に、闇から光へ。
明るい人生に一歩踏み出す過程が描かれています。

 

自分が苦しんでいるときに、のんきに恋人である翠さんを連れ込み、抱いている雄一を見てプンプンはやりきれない想いで一杯でした。

 

そんな自分の人生を肯定するために、自分が得ることが出来ない日常を否定するようになっていきます。
それと同時に、日常を手にしようとし、結果傷つくことを極端に恐れるようになるのです。


本音を隠し、取り繕って生きる。

そんな存在は、上辺だけの愛情しか得ることは出来ないのですが…

 

5巻ではプンプンは高校生になります。
次巻以降、さらに重い内容となっています。

高校生編の感想へ続く!(記事リンクは下に)