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藤子F不二雄の短編SF『気楽に殺ろうよ』が面白い!!【感想・ネタバレ】

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どうも!

さて、藤子不二雄という希代の漫画家を語るなら外せないのが
 
短編SF!!
 
ドラえもんやパーマン等で有名ですが、真骨頂はこの短編SFにあると思っています。
子供向けのコメディ漫画を多く執筆かたわら、大人向けのSF作品も世に送り出していました。
 
今回はその中でも、おすすめの作品を紹介しますね。
 

『気楽に殺ろうよ』

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価値観の逆転を描いた作品。
主人公の河口は朝起きて新聞を取ろうとしたときに、突然背中から刃物で刺されたような凄まじい激痛を受けます。
 
痛みはすぐに収まりますが、そこからどうも違和感を覚えるのです。
河口はこのまま異世界に迷い込むことに。
 

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食事をするのに何故か真っ暗にしてカギをしめる。
この世界では食事は恥ずべき行為のようです。
周りの人に見せるなんてもってのほか。
 
さらには、娘に『シンデレラ』の絵本を読み聞かせようとしたところ…
王子様と結婚したその後の性行為のシーンが!
子供が読む絵本にまさか!?と思う河口でしたが、妻はさも当たり前という様子。
 
 
河口の妻はそんな夫の様子をみて、病院に行かせました。
しかし、医者とも話がどうにもかみ合いません。
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乱食パーティの写真をコレクション…?

 

そう、河口は、食欲と性欲への概念が逆転している世界に迷い込んでしまったのです。

 

医者は語ります。
「食欲と性欲‥‥ともに最も根源的な欲望ですな」と…
 
いずれも人間にとって切っては切り離せない欲求。生命と種としての繁栄のためには必要なものです。
 
ただ、私たちが恥ずかしいと感じるのは性欲。
しかし、この世界では食欲を恥じているのです。
 
 
病院から出て、駅で呆然とする河口。
しかし、なんとホームでいきなり子づくりを始めようとする男女が!
しかも抱いている赤ちゃんをゴミ箱へ投げ捨ててしまうのです。

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それを見てやってきた警官も、スペアを作って保健所に届けるのがルールだろうと、とんちんかんな注意をしています。
 
さらには、人殺しも目撃。しかしどうにも様子が変です。
どうも殺人は権利書があれば容認されるようで、子供を一人生みさえすれば、一人殺す権利を得ることができるとか。 
 
 
その後河口は、殺人を条件付きで容認している社会に馴染んだ?のか、気に入らない同僚を殺すことを決意します。
 
そこで話は終わるのですが、この後いったい河口はどうなるのか。
察しの良い方は、記事のいちばん一番初めの画像を見ると理解できると思います…

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感想・考察

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人間の欲求や倫理観について、SF的な視点で描かれている作品。
作中で医者は、「食欲とは個体を維持するためのもの。独善的、欲望である」と語っています。 
また「性欲とは種族の存続を目的とする。公共的、社会的、発展的な性格を有している」とも。
 
まあ、言いたいことはわかる。
大きな生命の視点で見れば、確かに両方の欲求もそう変わりはありません。
どちらも同じように基本的欲求であるにも関わらず、どちらか一方が閉鎖的になっているのは何故だろう、と疑問を投げかけてきます。
 
また、性欲にオープンな社会では人口も爆発的に増加する。
そんなとき、殺人が容認されることでバランスが取れているといったところでしょうか。
不可思議な世界でも、いちおうのモラルだったり理屈は存在するのです。
 
 
私たちは、私たちの社会での常識や倫理観というものが備わっていますので、河口のように〝変だ”と感じるのでしょう。
ただ、その当たり前が通用しない場面に遭遇したとき、人は順応できるのか。
正しい・正しくないは、ある一方の角度から見た〝都合”でしかありません。
 
常識なんて不安定なもの。
河口のように、元々のモラルなんてあっさりと覆ってしまうのも、また人間なのです…
おわり! 

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