どうも…!こばやしです。
今回はマンガネタ。
「1日外出録ハンチョウ」を読んだ感想です…!
週刊ヤングマガジンで連載中の本作。
あの『賭博黙示録カイジ』シリーズのスピンオフ作品としての位置づけです。
カイジのスピンオフ作品としては『中間管理職トネガワ』が先に世に出ており、こちらもコミカルな利根川の本編とのギャップに大爆笑です。
しかし『悪魔的スピンオフ第2弾!理外の飯テロ漫画!!』と題した本作も、負けず劣らず。
地下労働施設に収容され強制労働に就かされている大槻が、50万ペリカを消費し「1日外出券」を使って地上に戻り、飲み食いを楽しむ…といったあらすじ。
これが読んでいて本当に
止まらない…!爆笑が…!
『1日外出録ハンチョウ』ネタバレ感想
福本伸行の作品『賭博破戒録カイジ』に登場する大槻(ハンチョウ)を主人公としたスピンオフ作品
地下労働から一日外遊券で地上に上がった大槻班長の、飲み食いを主とした自由な一日を描く。
せっかく地上に上がったのだからこそ、全力で遊ぶ!という独特のコンセプトのこの漫画。
福本伸行特有の「心理描写を大げさに描く」という手法とギャグの愛称は抜群で、ドカッと来る強烈なギャグが冴えわたります。
また、班長大槻や取り巻きの沼川、石和といった、狡猾ながらも人間味あふれるキャラクターが魅力を増していますね。
グルメ漫画としての要素も強いですが、「休日をめいいっぱい遊ぶ」ことに重点を置いており、食に関連しないエンジョイをしている場面も多いです。
自分もこれくらい休日を楽しく過ごせたらいいのに…と、休日の楽しみ方を知っている大槻を羨ましく思うことすらあります。
ギャグの中にもそんな社会人の心を掴む隠し味が隠れているこの作品…トネガワとはまた違った面白さがあります。
1日外出券は50万ペリカ。日本円にすると5万円を消費する散財です。
何せ彼らの地下強制労働での"月給”は日本円でおよそ9,000円なのだから。(班長は何かしらの手当などがあってもう少し多いかも)
そんな1日外出券で勝ち得た、24時間の自由。
当然、1分1秒も無駄にできないはず。ですが、地下チンチロなどで大量にペリカを保有する富豪な班長は違います。
いきなりセーターの毛玉を取り出す班長。
それ、今やることか!?
この作業をこの男は数時間も行うのですから、さすが班長。器が違う。
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その後、おもむろにスーツを購入した班長は、サラリーマンの姿にコスプレ。
どこに行くかと思えば、どこにでもあるソバ屋で昼間から生ビールを飲むのである。
周囲のサラリーマンたちは、もちろん仕事のお昼休み。
当然、大槻のように昼間からビールは飲めない。
そうしたなかで、美味しそうにビールを飲むことで周囲の「垂涎の的」となることが目的だったのですね。
それを意識しながら、大槻は、さらに生ビールを追加注文します。
普段は地下強制労働施設の「囚人」である筈の大槻と、地上で自由を謳歌しているはずのサラリーマンたちとの立場が逆転するのです。
別の話では、地下で行っているビールや焼き鳥。ポテトチップスなどの物販業務の仕入れをしにやってきました。(儲けは帝愛と折半)
地下での側近、沼川も一緒です。
仕入れの流れでドンキホーテへ。
そこで年甲斐もなく、大はしゃぎする中年2人…。
そんなこんなで思いついた悪魔的発想。
それが柿放題(カキホーダイ)です。
どこかで聞いたことがあるネーミング。
これは柿ピーを定額料金で食べ放題にするというもの。
一様に喜ぶ地下労働者たちでしたが、如何せん柿ピーに飽きてしまいます。
しかし巧妙に定額プランを解約できなくさせて、せこい荒稼ぎをしたり、やってることの小悪党っぷりが見事の一言。
携帯キャリアへの皮肉もたっぷり効いています(笑)
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大槻班長の活躍は続く…!
さて、「1日外出録ハンチョウ」。
海での初恋の思い出を語り合ったり、幼少期のおふくろの味(カレー)へこだわりを見せたりと、本当にお茶目です。
ですが、大槻に下手に人間性を加えて「実はこんな良い人な面もある班長」というものではないです。
本編での小悪党っぷりの裏でこんな仕込みや私生活を送っていたのだという地続き感にとどまっている。
これが秀逸だと思います。
若干ギャグが狙い過ぎてきる場面もありますが。
けっこうオジサン的な奥の深さが随所にあるんですよね。
居酒屋での飲み方なんて、ヤングマガジンの読者層にマッチしているのか?本当に。
しかしただ1日外出するだけで、これだけ面白くできるのかと驚きですね。
もちろん地下での話もあり、これでも大槻は頑張ってたんだなあと感慨深いものがあります。
このハンチョウを読みながら、チンチロを読み返してみるのもまた一興です。
しかし、大槻の贅沢って私たちはいつでも出来るわけですよね。
大槻のように50万ペリカ(5万円)を支払わなくても、休みの日には同じような楽しみ方が出来る。
けれども、どうも彼のように有意義に休日を過ごしていないような気になります。
24時間が経過し、自らの意思で嬉々として施設へと戻って行く大槻の晴れ晴れした顔はどうでしょうか。
大槻の頭の中は、「次」は何処に行き、何を食べようか、そのために稼がないと!
と、いう思考です。
何だか、読んでいて、文字通りハングリー精神が違うなあと感じました。
何気ない日常というものは意外と新鮮な魅力に満ち溢れているのかも知れませんね。
大槻が、地下で強制労働をさせられる不自由な身ゆえに、我々が見落としてしまう日常の些細な幸福に気付けるのでしょうか。
最後に、カイジの地下チンチロ編は文句無しに名作です。
破壊録の1〜5巻は未読の方でも充分に堪能できると思うので、ぜひ一読を。