どうも!こばやしです。
今回は漫画ネタ。
「恋のツキ」の最新3巻の感想と考察です。
この『恋のツキ』は月間モーニングで連載中の作品です。
一時期はスマホなどで広告も打っており、知っている人も多いかもしれません。
ちょうど3巻を読みましたので、感想や考察などを書いてみます。
最新5巻の感想はこちら
前回までのあらすじ
主人公の平(たいら)ワコは31歳。
彼氏とは付き合って4年。同棲して3年。
彼氏は結婚はしてくれそうだけども、どうもマンネリ気味。
そんな中「運命の出会い」が…!?
ひょんなことから見た目も、趣味もピッタリの超タイプの男の子、伊古くんと出合うのです。
しかし伊古くんはなんと、高校1年生。
ワコは罪悪感に後ろ髪をひかれつつも、欲望にズルズルと負けてしまう。
というストーリー。
結局は浮気がバレて…
2巻では、高校生と浮気していたことが彼氏にバレてしまう。
しかし彼らは別れることは選択せず、変わろうとすることを選んだ。
ワコは泣いて反省し。
彼氏である、ふうくんは貯金や掃除を始めたりと、浮気されないように…
ワコの気持ちが離れてしまわないように、努力するようになった。
そんな最中、ワコのことを諦められないイコくんは、映画館でバイト中のワコの元へ。
ここまでが2巻。
そして3巻では、「二股でもいいから付き合ってください」という若さ溢れる青い言葉に、あっさりと揺らいでしまう。
具体的にはキスから、その先まで…
ワコは彼女なりに自己嫌悪するわけです。
ですがこのマンガの上手なところは、彼なりに反省していたはずの彼氏「ふうくん」のデリカシーのなさを強調する点。
浮気されて、自分ももっとワコに優しくしなくては!と改心したはずが、あっさりと元のだらしない男に戻ってしまうのです。
この、だらしなさは1~2巻と同様に、本当に絶妙。
女をイライラさせる描写は凄いリアリティを感じます。
これはもう、本当に読んで確かめて欲しい。
もちろん、だらしないのはワコも同じ。
ズルズルと再び高校生のイコくんといたしてしまうわけだから。
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再び浮気してしまう女
ちなみにワコは、バイト先の映画館が閉館したことにより無職に。
これが3巻では非常に大きな意味を持っているのです。
ふうくんは、だらしがなくデリカシーにも欠ける男だ。
それに飽き足らず、 貯金も無いし、どうも生活費もワコがいないとままならないような状況。
それだけに、ワコに対しても「さっさと職を探せ」というスタンスでいる。
画像のように、「いってらっしゃい」のコミュニケーションに対して、こういう遮り方をしてしまうのです。
これがどれだけ彼女を傷つけるのか…まあ、それがわからないから浮気もされるんだけど。
ワコは中々仕事が見つからない焦りと、自分が必要とされていないと劣等感を感じ、どんどんふさぎ込んでいきます。
順調に減っていく貯金残高。
相変わらず能天気な馬鹿な男。
部屋の更新料くらいの貯金って、相当やばいのに、それがわかっていない。
こんなくせに、結婚したいだとか、夢は孫とキャッチボールをするとかほざいている。
彼らの年齢が20代前半なら、全然いい。
だけど、ワコはもう32歳なんだ。
結果、再びワコはイコくんと逢引するようになり、体も重ねていく。
どんどんと、深みに嵌っていってしまう。
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浮気を踏みとどまる男
3巻で面白いのは、彼氏側である「ふうくん」に降って湧いた浮気のチャンス。
若い派遣の女の子に気に入られているようだと、得意げにワコに自慢するんですよ。この男は。
もちろんワコが嫉妬しないわけはなく。
でもそれをしっかりと表現できないのがワコの悪いところ。
だけど、普通そんなことを彼女に自慢するかな?!
このマンガは最初から、ふうくんとは別れる前提で描かれていると、私は思う。
しかし、男女の別れを描くうえで、どちらか一方のみを悪者にしない。
男のダメな面をこれでもか!と見せつつも、一線を軽く越えたオンナと、誘惑され、越えることが出来たが、踏みとどまったオトコを対比している。
ふうくんは、会社の若い派遣の女の子に誘惑される。
その女と、二人きりで飲みに行くことに。
前段階として、ワコからの「二人で外食しよう」という誘いを金が勿体ない・それよりもゲームがしたいから…というとんでもない理由で断っている。
結果的に、派遣女とはラブホテルまで一緒に入る「ふうくん」。
しかし彼は、ギリギリのところで浮気せずに踏みとどまる。
この場面は、個人的には非常に好き。
これがないと、どうしてもワコに感情移入している読者が、彼女の浮気を正当化してしまうのだ。
この場面を描くことで、読者もあぁやっぱり浮気してるのってダメだよねという現実を感じることができる。
別れを選択したワコだが
結果的に、ワコはふうくんと別れることを選択する。
きっかけは「どうせ」という何気ない言葉だけど、そこに至るまでに積み重なった不満。
決定的な亀裂になってからでは、それに気づいてからでは遅い。
しかし、この選択をするということは、32歳無職、結婚の予定なし。
という道を選んだわけで…といっても、安直にイコくんへ走る…というのも、問題ありなわけで…
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イコとの別れも徐々に…?
さて、32歳になったワコと、高校生ながら付き合っているイコくん。
彼は前回の記事でも書いたけど、転校したてで、学校のなかのコミュニティに属していないことが大きかった。
彼の世界でワコが占める割合はあまりにも大きい。
年上のお姉さんが目の前にぶら下がっていれば、思春期の健康な男子は、そりゃもう、夢中にもなる。
イコくんは若い。若いがゆえに、ワコのダメさも理解できない。
32歳の女が、いくら寂しいからといって、いくら辛いからといって、16歳の男の子をたぶらかして良いわけがないのだ。
ワコは本格的に、仕事が見つからない。
どんどん不安定になってゆく。
今までワコは、ふうくんとの結婚という逃げ道と常に隣り合わせだったが、これからは何もない。
彼は、そんな彼女の不安定さを本当の意味で理解することも出来なければ、救うこともできない。
金銭的な部分では完全に無力だ。
逆にイコくんは、3巻において同級生という別のコミュニティが生まれた。
自分と同じ悩みや喜びを共有することが出来る仲間や、異性。
32歳の女性とは、絶対に理解しあえない部分が、同年代となら分かり合える。
言わば、形勢逆転というわけだ。
こうなった後、二人の関係性にも変化が生まれると私は予想する。
彼自身、自分が無力だと理解しており、悔しいとも漏らしている。
その悔しさが苦しさに変化してゆくだろう。きっと。
そうなってくると、イコくんは楽なほうに逃げざるを得ない。
でも、私はそれが真っ当だとも思うし、その逃げを肯定する。
だって、最初から、ワコとイコの間には未来なんて存在していないから。
さて、「恋のツキ」。
個人的にはクライマックスが近いと思っている。
次回まで半年も待たなくてはいけないのが、月間連載の辛いところだ。
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4巻の感想記事はこちらから
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