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藤子F不二雄の短編SF『ヒョンヒョロ』が怖すぎる!!【ネタバレ感想・考察と解釈は?正体とその後…】

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どうも、こばやしです。


さて、藤子不二雄という希代の漫画家を語るなら外せないのが
 

短編SF!!
 

ドラえもんやパーマン等で有名ですが、真骨頂はこの短編SFにあると思っています。
子供向けのコメディ漫画を多く執筆かたわら、大人向けのSF作品も世に送り出していました。
 

これまで『気楽に殺ろうよ』『ノスタル爺』等を紹介しましたが、今回はこちらです!!

 

『ヒョンヒョロ』

 

目次

 

『ヒョンヒョロ』ネタバレあらすじ

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マーちゃんという子供がこの物語のキーマン。

まず、マーちゃんは「円盤に乗ったうさぎちゃん」から手紙をもらったと、母親に告げていますが、母親はそれを信じようとしません。

 

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この母親のセリフからして、マーちゃんはこれまでにも突拍子もないことを口走ってるらしい。

お星さまを拾ったと言っていますが、前回までのように大人の興味をひくために嘘をついていると思っているのです。

いわば「狼少年」に似たような扱いをされています。

 

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父親は、それを「小さな子に現実と空想の区別なんかつかない」と、母親よりは大らかに受け止めていますが、母親同様に、マーちゃんの話を信じていません。

 

そして次の展開。

マーちゃんが持っていた手紙には、「ヒョンヒョロ」なるものを要求する内容が書かれています。

さらにその要求をのめない場合は「誘拐」すると…

 

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一応という感じで警察を呼ぶ両親。

しかし、実際にマーちゃんは誘拐されておらず、要求されている『ヒョンヒョロ』も何のことだかわからない。

警察としては、当然のごとくそれを真に受けません。

 

それでも両親は少し心配になり、マーちゃんを家で大人しくさせようと考えます。。

 

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そこへ、マーちゃんの部屋の壁をすり抜けて、その「うさぎ」が登場します。

手紙は読んだかどうか確認しに来たんですね。

しかし字が読めないマーちゃん。

 

それでは『ヒョンヒョロ』が手に入らないと困るうさぎ。

このあたりから、マーちゃんの言葉と手紙が嘘ではないということが分かってきます。

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しかも、その「うさぎ」は両親の前にまで現れます。

しかし両親は大うさぎの存在を認めようとせず、手紙も当然読むことをしません。

 

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最初はうさぎを見ても見ぬ振りで、存在する事実を信じまいと努力します。

この流れはコミカルで、夫婦の夜の生活にも大うさぎは乱入しようとするんです(笑)

 

藤子F不二雄の画風で、ディープキスの描写をするのだから、新鮮だし面白い。

そんなこんなで、両親も大うさぎの存在を認めざるを得ない状況になってきます。

 

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ここから話は急展開。

再び警察に相談する両親。そして実際に警察の目の前に現れた「うさぎ」。

しかもうさぎは「誘拐の見本」だと、超能力でパトカーごと警察官1名を消滅させます。

これを受け、警察はピストルで応戦するものの、完全に無力化されてしまいます。

 

こうなると警察もうさぎの存在を認めます。

更にその逮捕が不可能となると、不可解ながらもその要求を全面的に飲むしかありません。

 

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しかも、警察は何をしても「うさぎ」の逮捕はできないというのに、当の「うさぎ」は、現場の張り込みまでするように要求してきます。

 

これはテレビドラマの影響。

うさぎは"誘拐とは何か”を理解しようとし、『ヒョンヒョロ』の誘拐を成功させようとしているのです。

 

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いよいよクライマックス。「うさぎ」の要求は「ヒョンヒョロ」。

しかし、大人たちには、その意味が分かりません。

「ヒョンヒョロ」とは何かを理解できないので、自分たちの世界で一番価値のある「お金」を代わりに差し出します。

 

しかし「うさぎ」はそれは「ヒョンヒョロ」ではないと激怒。

遂に「誘拐」を実行してしまいます。

 

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 ラストシーンでついに「ヒョンヒョロ」の正体が明かされますが、時すでに遅し。

このおもちゃ箱に隠れていた「お星さま」こそが、うさぎが欲していた「ヒョンヒョロ」だったのです。

 

さらに「誘拐」の対象とは、地球上の全ての人間でした。

ひとり取り残されたマーちゃんは…消えてしまった人類の行方は…

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『ヒョンヒョロ』 考察・解釈 と正体

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さて、考察。

この作品も他の異色SFと同様に、価値観のズレがポイントとなっています。

これはF先生が「誘拐は子供をさらうもの」という常識を逆手にとったわけですね。

 

また、ラストで何故マーちゃんだけが残され、人類すべてが"誘拐”されてしまったのかだが二つの解釈ができます。

 

1,パパがウサギに「子供を巻き込むな」と頼んだため

 

物語中盤。

警察でも手に負えなくなったあたりで上の画像のシーンが挿入されています。

 

うさぎが「それはちょっとおかしい」と言っているように、脅迫の交渉相手であるマーちゃんを巻き込まない、というのは無理なのですね。

マーちゃんが誘拐の対象となっている!と認識している父親との食い違いの一コマというわけ。

 

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このうさぎ、摩訶不思議な価値観ですが、嘘をつくような人物とは描写されていません。

あくまでも地球上での正しい交渉を"誘拐”と認識しているだけですから。

この父親の要望を叶え、うさぎはマーちゃんを誘拐の対象から外したという解釈ですね。

 

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2,脅迫状はマーちゃん宛だったので、全人類が人質で元からマーちゃんは誘拐の予定が無かった

 

この解釈が正しいのではないか…と私は思います。

マーちゃんこそが、うさぎが要求していた『ヒョンヒョロ』を拾った持ち主ですからね。

 

しかし、少なくともマーちゃんにはヒョンヒョロの正体に心当たりがあったのですから、脅迫状に書いてある文章を読めれば…

 

いや、うさぎは『周りの大人に読んでもらえ』と主張していました。

そこで周囲の大人がマーちゃんの言うことを聞き、手紙を読んであげていれば…。

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マーちゃんは『拾ったお星さま』こそが『ヒョンヒョロ』であることを理解し、全てを解決することが出来ていたのかもしれません。

 

うさぎは常に地球のルールに従おうとしてます。

だから誘拐後にヒョンヒョロを欲しないし彼にとっての「礼儀正しい交渉」である誘拐をきちんと遂行しているのです。

 

「徹頭徹尾礼儀正しくあり続けたにも関わらず、結果がとんでもないことになっている」というのが、この作品がユーモラスかつ、皮肉に満ちているのだと思います。

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 『ヒョンヒョロ』の持つテーマとは

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この話の肝は、当然「うさぎ」の動向です。

見た目の不思議さと可愛さは、一見するとドラえもんのキャラクターにもいそうな風貌です。

これは、大人には理解できないものを具象化したデザインだったのでしょう。

 

そして子供の言葉に耳を傾けない両親。

これは大人は常に子供より正しいという認識があったからでしょう。

この作品は、そんな大人の認識を風刺しているのではないでしょうか。

 

常に信じてもらえないマーちゃんに対して、「うさぎ」はそれを大人に信じさせるという立場を貫いています。

 

子供は、時に訳の分からないことを喋り出すかも知れません。

大人は常識や経験によるバイアスが掛かりますが、子供にはそれがありません。

子供の目線で、見た感じたままに物事を受け止めます。

 

それを親や周りの大人たちが、全く聞き入れないのは、どうなのでしょう。

少なくとも、子供は大人たちに何かを伝えようとしてコミュニケーションを求めてくるのです。

彼らなりの理由や動機が必ずあります。それが興味や関心を惹くための嘘であっても。

 

もっと柔軟に子供たちの話に耳を傾けた方がいいのではないか。子供だからこそ見える景色を、大人が認めてあげるべきなのではないか。

私はこの『ヒョンヒョロ』という作品には、そんなメッセージが潜んでいる気がしてならないのです。

おわり!